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プラセンタが美容に効果がある5つの理由とは?効果的な取り入れ方も紹介

プラセンタが美容に効果がある5つの理由とは?効果的な取り入れ方も紹介

化粧品や美容ドリンク、サプリメントにおいてプラセンタは頻繁に使われている成分です。
美容に良いことはわかっていても、どのようなものなのか知らない方も多いのではないでしょうか。
ここではプラセンタの美容への効果と、より効果的に取り入れるためのポイントを解説します。
プラセンタが気になっている方、どう取り入れるか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

プラセンタってよく聞くけど何?

プラセンタは胎盤を意味し、一般的に、ヒトや哺乳動物の胎盤から抽出したエキスのことを指します。
化粧品、サプリメント、ドリンク、注射などさまざまな製品に美容目的で配合されています。

プラセンタは6種類!

プラセンタは何から抽出されたかによって6種類に分けられます。
医療では更年期障害や肝機能障害の治療に、人の胎盤から抽出されたプラセンタが利用されます。
一方、美容目的としては豚や馬、羊などの動物の胎盤から抽出されたプラセンタが利用されていることが多いです。
野生の哺乳類は、出産後に体から排出された胎盤を自分で食べるといわれています。
その理由は、出産で消耗した体力を回復させるために、本能で食べるようになったからです。
最近は動物の胎盤以外に、海洋や植物プラセンタも使用されるようになりました。
プラセンタを取り入れる際は、何から抽出されたプラセンタか、またそれが動物由来の場合は、どのような環境で育った動物であるかをチェックしましょう。
良い環境で抗生物質を与えられずに育った動物からは、品質の良い安全なプラセンタが得られます。
ここでは、それぞれのプラセンタの特徴を解説します。

■豚プラセンタ
美容目的で配合されるプラセンタのなかで、最も多い割合で使用されているのが豚プラセンタです。
豚は1度の出産で10頭ほどの子豚を産み、さらに妊娠期間が短いために1年に2回出産が可能です。
そのためほかの動物より胎盤が手に入りやすいといわれています。
さらに一般的には日本国内で飼育されているため、安全面で信頼できる胎盤を手に入れることができます。
豚プラセンタは化粧品、医薬品、サプリメント 、ドリンクなどに幅広く使用されています。

馬プラセンタ
馬プラセンタの最も大きな特徴はアミノ酸が豊富に含まれているということで、その含有量は豚プラセンタの300倍程度といわれています。
さらに、豚プラセンタには含まれない種類のアミノ酸がたくさん含有されていることも特徴です。
ただし、馬は豚のような多胎出産ではないため、流通量が少なく希少とされ価格も高くなります。
馬プラセンタは主に経口用としてサプリメントやドリンクに使われます。

羊プラセンタ
羊プラセンタは人の胎盤に近いアミノ酸を持っているため、拒絶反応が起こりにくく浸透力や吸収力も高いといわれています。
しかし、一頭の羊から抽出されるプラセンタは少ないために、アメリカやヨーロッパでは人気があるものの日本ではあまり扱われていません。
国内で見かける羊プラセンタを使用した製品は、ほとんどが海外からの輸入品です。
しかし、オーストラリアなど狂牛病が発生していない地域のプラセンタは安全であるといわれているので心配はいりません。
羊プラセンタは主にサプリメントやドリンクに使用されています。

海洋プラセンタ
海洋プラセンタとは、魚卵を包む卵巣膜から抽出したプラセンタのことです。しかし、魚類に胎盤はありませんので、正確にいうとプラセンタではありません。 
卵巣膜とはわかりやすくいえば、鮭でいう筋子を包む表面の薄皮の部分です。卵を健康に育てるために必要なアミノ酸、コラーゲン、ヒアルロン酸などの栄養を多く含んでいます。
動物性プラセンタに含有されているような哺乳類の成長因子は含まれていませんが、安全性は非常に高いといわれています。

植物プラセンタ
植物にも胎盤自体が存在しないので、植物の胎座とよばれる部分から抽出したものを植物性プラセンタといいます 。
ですが、胎盤はないため正確にいうとプラセンタではありません。
アミノ酸、ビタミンやミネラルなど、種を成長させるために必要な栄養素が豊富に含まれています。
ただし、海洋プラセンタと同様に成長因子は含まれていません。
最近の研究で、植物プラセンタに成長因子を増やす効果があるとわかったため、今後ますます活用されるようになるでしょう。

ヒト由来プラセンタ
ヒト由来プラセンタは人間の胎盤から抽出されるため安全性が高く、吸収率も良く人体へなじみやすいというメリットがあります。
現在、一般的に使用されているヒト 由来プラセンタは2種類です。
これらのプラセンタはどちらも厚生労働省の認可を受けた薬剤で、病気治療ではなく美容効果のためであっても医療機関でしか取扱いができません。
海外でヒト由来プラセンタを配合したコスメも販売されています。
個人輸入すれば入手できますが、感染症リスクの面から十分に注意した上で使用しましょう。

プラセンタには美容成分がたっぷり

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人や動物の胎盤、魚類の卵巣膜、植物の胎座から抽出されるプラセンタには、赤ちゃんの成長に欠かせない栄養素が豊富に含まれています。
肌にとっては美容成分となる重要なこれらの成分を紹介します。

酵素
酵素は食べ物の消化、吸収、代謝を助ける重要な成分です。
酵素の力で体内に取り入れた栄養分をエネルギーに変え、新陳代謝を促すことで、古い細胞を新しい細胞へと生まれ変わらせます。
このように酵素は美肌にとって必要不可欠な成分といえるでしょう。

ミネラル
プラセンタにはさまざまなミネラルが含まれています。
ミネラルとは、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、亜鉛、鉄などを指し、ヨーグルトや牛乳などに多く含まれている成分です。
また、タンパク質・糖質・脂質・ビタミンと共に、人間に必要な五大栄養素のひとつとされています。
真夏の暑い時期に熱中症にならないためには、水ではなくミネラルの入ったスポーツドリンクを飲むと良いといわれています。
それほどミネラルは体の調子を整えて健康を維持するために必要な成分です。

ビタミン
プラセンタにはさまざまな種類のビタミンも含まれています。
ビタミンにはさまざまな種類がありますが、ビタミンB1、B2、B6、B12、C、D、E、ナイアシンなどです。
これらは美肌の効果が期待できる成分として常に注目されている成分といっても良いでしょう。
体の生理機能を整え代謝をスムーズにする働きのあるビタミンは、体内ではほとんどつくることができないため、外から適度に摂取する必要があります。
通常ビタミンは果物や野菜、肉などから取りますが、人間の身体にとって必要となるビタミンをまんべんなく取り込むことは難しいです。
しかし、プラセンタは、普段摂取しにくいさまざまなビタミンを含んでいるため、ビタミンの接種に最適な成分といえるでしょう。

アミノ酸
アミノ酸は体の細胞をつくる原料で、プラセンタに最も多く含まれる成分です。
ロイシン、リジン、バリン、アルギニンなど、学校で習った記憶もかすかにあるでしょう。
 通常アミノ酸は食品に含まれるたんぱく質から補います。
しかし、たんぱく質はアミノ酸が結合した高分子化合物であるため、吸収しにくく体外に排出されてしまいがちです。
プラセンタにはアミノ酸が単体のまま含まれているので、体内へそのまま効率よく吸収されます。
アミノ酸は食品の旨味としての役割を持つだけでなく、肌のターンオーバーを促し角質を整えるため、美肌にとっては欠かせない重要な成分といえるでしょう。

核酸
プラセンタには、新陳代謝を調整したり遺伝子を修復したりする成分である核酸も含まれています。
核酸は総称して「DNA」や「RNA」とよばれており、核酸が不足する事で体の機能が正常に機能しなくなる可能性もあるのです。
核酸は肝臓で合成されますが、20歳を過ぎる頃から減りはじめ、40歳を過ぎると急激に減少します。
実はこれが老化の原因のひとつです。
しかし、核酸をプラセンタから摂取することで、肌だけでなく髪、ましてや体全体の老化対策として効果が期待できるでしょう。

エイジングケアに効果的な成長因子が含まれる

プラセンタには上記で紹介したようにさまざまな美容成分が含まれていますが、さらに大きな特徴として成長因子が含まれることがあげられます。
人の細胞や皮膚など人の体はヒト成長ホルモンで成長しますが、このホルモンは年齢と共に減少します。
この成長ホルモンを活性化するのが成長因子(=グロースファクター)です。
成長因子はたんぱく質の一種で、さまざまな細胞分裂を活性化させる働きをします。
また、その働きから細胞増殖因子と呼ばれることもあります。
この成長因子は、若々しい肌を保ち健康をサポートする効果がある成分といえるでしょう。
プラセンタに含まれるさまざまな成長因子のうち、美肌効果が期待できる成分には次のようなものがあります。

・EGF=上皮細胞増殖因子:肌のターンオーバーを促す
・FGF=線維芽細胞増殖因子:コラーゲンやエラスチンを維持、再生させることで肌の弾力を保ち若々しさを維持
・IGF=インスリン様成長因子:細胞の修復などを手助け
・HGF=肝細胞増殖因子:新陳代謝の活性化と血行促進
・NGF=神経細胞増殖因子:神経細胞の増殖促進、自律神経のバランス調整

これらの成長因子は海洋プラセンタや植物プラセンタには含まれておらず、動物由来のプラセンタのみに含まれています。

プラセンタで期待できる5つの美容効果

プラセンタは若い方はもちろん、年齢を重ねた方の肌悩みにもアプローチします。
また、更年期によるさまざまな体の変化で悩んでいる方にもぜひおすすめしたい成分です。
なぜプラセンタがさまざまな悩みにアプローチし、美容に良いといわれるのかを解説します。

シミにアプローチ

プラセンタは、医薬部外品では美白有効成分として厚生労働省が認めており、シミを防ぐ効果が期待できるといわれています。
紫外線を浴びると表皮でチロシンがメラニンへと変化し、さらに過剰なメラニンが黒色メラニンに変化してしまうというのがシミの正体です。
プラセンタにはチロシナーゼ活性を阻害する働きがあり、チロシンがメラニンに変化するのを妨害します。
つまり、プラセンタを摂取することでシミを予防できます。
また、プラセンタには肌のターンオーバーを促進する効果もあるので、くすんだ肌を明るい印象に整えてくれるでしょう。

シワにアプローチ

プラセンタはタイプの異なるどちらのシワにも効果が期待できます。

● 乾燥小じわ
小じわといわれる細かいシワは乾燥が主な原因です。
プラセンタは角質層の水分を保持する働きをするため、乾燥によるシワの改善に効果が期待できます。

● 深い年齢じわ
加齢によってコラーゲンとエラスチンが減少し、細胞の弾力や張りがなくなってしまうため、ほうれい線をはじめとする深いシワができてしまいます。
プラセンタに含まれるさまざまな成長因子が細胞の働きを活性化させ、コラーゲンやエラスチンの働きをサポートします。

抗酸化作用で若々しく

プラセンタは肌の老化の原因となる活性酸素の発生を抑える効果があります。
紫外線を浴びたりストレスを受けたりすることで、体内では活性酸素が増えます。
この活性酸素は「細胞を錆びさせてしまう」といわれており、活性酸素が増えると、コラーゲンやエラスチンが減少し肌のターンオーバーも乱れ、肌の老化につながります。
緑黄色野菜や果物を大量に摂取することで活性酸素を除くことができますが、毎日摂取するのは難しいです。
プラセンタには抗酸化作用があるので、活性酸素を減らし若々しい肌へと導いてくれます。

ホルモン分泌刺激で健やかな肌に

プラセンタに含まれる成長因子が、ヒト成長ホルモンの分泌を活性化します。
ヒト成長ホルモンは肌や細胞の若さを保つために必要なホルモンですが、このホルモンは年齢と共に減少していくことで肌のくすみ、たるみ、シミやしわなどをつくる原因になるのです。
プラセンタに含まれる成長因子とよばれるタンパク質が、このヒト成長ホルモンの分泌を活性化するといわれています。
プラセンタを摂取することで、細胞レベルで若々しい健やかな肌を目指しましょう。

更年期や年齢肌に効果的

プラセンタは加齢によるホルモンの乱れで起こる肌荒れに効果的です。
女性は更年期近くになると、女性ホルモンであるエストロゲンが減少します。
エストロゲンが減ることで美肌が損なわれるだけでなく、さらにホルモンバランスも崩れ、肌荒れも起こってしまうのです。
しかし、プラセンタには酵素、アミノ酸、ビタミン、ミネラルなどたくさんの栄養素が含まれているので、摂取することでエストロゲンが増えるといわれています。
定期的にプラセンタを摂取して、エストロゲンを維持し若々しい肌を保ちましょう。

プラセンタの効果的な取り入れ方

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プラセンタを取り入れる方法は、「飲む・塗る・注射する」の3つの方法があります。
せっかく取り入れるのであれば、効果的に取り入れたいと思うものです。
ここでは、3つの方法について効果的に取り入れるポイントを紹介します。

飲んで取り入れる

まず効果的な取り入れ方として紹介したい方法が「飲んで取り入れる」方法です。
インナーケアとよばれることもあり、サプリメントやドリンク、医薬品があげられます。
サプリメントやドリンク、医薬品でプラセンタを取り入れた場合は、細胞分裂活性化や抗炎症作用など、体の内側からの効果が期待できます。
ひとくちに「飲むプラセンタ」といっても医療機関でのみ入手できるものから店舗で気軽に購入できるものまでさまざまです。
購入する際には、プラセンタが抽出された動物に対してアレルギーがないことを確認しましょう。

塗って取り入れる

続いては、プラセンタエキス配合の化粧品やプラセンタエキスを塗って取り入れる方法です。
化粧品や医薬部外品など肌に塗る場合は、一般的に豚や馬、植物のプラセンタが使用されています。
ダイレクトにプラセンタエキスを肌に塗布するため、美肌効果の維持が期待できるでしょう。
化粧品や医薬部外品においては、「プラセンタ配合美容液」や「プラセンタ原液」などさまざまな商品があります。
「プラセンタ原液100%」と記載されていても実際は水やエタノールで希釈されていることもあるので確認しましょう。
プラセンタ配合の基礎化粧品を選ぶ際はクリーム系、オイル状の製品をおすすめします。
このような製品の場合、肌になじみやすく成分も良いため浸透するでしょう。
敏感肌の人はプラセンタ以外の成分、特に植物エキスや精油に気をつけながら効果的にプラセンタを取り入れましょう。

注射で取り入れる

最後に紹介する注射で取り入れる方法は、ほかの方法より高い効果が期待できます。
さらに医療機関で行う方法なので、安心で安全性も高いです。
注射で取り入れた場合効果はすぐに出ますが、一般的には2日〜3日程度しか持続しません。しかし、注射は1週間に1回の頻度で問題ないでしょう。
注射を繰り返すうちに効果の持続期間も伸びるため、継続して受けることがおすすめです。
プラセンタ注射ではヒト由来の成分である「メルスモン」もしくは「ラエンネック」が使用されます。 そのため、献血ができないことを覚えておきましょう。

プラセンタを取り入れるときの注意点

プラセンタにはさまざまな成分が含まれているため、取り入れる際には注意が必要です。
特に飲んだり注射したりすることで体内に入れた場合は、アレルギー反応が起こることもありますので、自分に合うプラセンタを選択することが大切になります。

原材料に注目する

まず気を付けてほしいのは「原材料」です。
現在は動物性由来のものは豚、馬、羊、ヒトの胎盤しか使用できませんが、牛の胎盤を使用していた時期がありました。
ある時期に狂牛病(BSE)が発生し、厚生労働省は牛の胎盤の使用を禁止しました。
そのため現在日本国内では、牛プラセンタは出回っていないです。
牛由来プラセンタと表示されている場合は、安全性の保証がないため使用を控えましょう。

飲み合わせに注意する

一般的にプラセンタは、飲み合わせに特に気を付けることはないといわれています。
しかし、ピルを服用している方は注意してください。
女性ホルモンの活性化効果があるプラセンタが、ピルの薬剤効果を減少させてしまう可能性がありますので、服用前に医師や薬剤師に相談すると良いでしょう。
また、そのほかのビタミン剤との併用によって、ビタミン過剰摂取になることも考えられますので注意が必要です。

献血はできない

プラセンタの注射を受けた際は献血ができません。
プラセンタ注射では、通常ヒト由来のプラセンタを注入します。
注射によって、変異型クロイツフェルトヤコブ病に感染するリスクがないといえなくなるためです。
しかし、実際これまでにプラセンタ注射により発症した症例は報告されていません。
病気の可能性を特に心配することはありませんが、献血ができないということを覚えておきましょう。

まとめ

プラセンタは、美容や健康の面からぜひ取り入れたい成分です。肌悩みにアプローチするだけでなく、更年期などの体の内側からの悩みにも効果的です。
プラセンタを摂取する方法は3種類あり、それぞれ注意事項や効果的な使い方も解説しました。
今回の記事を参考にして自分に合った取り入れ方をして、いきいきとした毎日を送りましょう。

監修者

X田薬品工業様 監修者 菊谷潤子①.png (561 KB)
監修者プロフィール 菊谷 潤子 大阪市立大学(現:大阪公立大学)を卒業後、化粧品メーカーで処方開発に携わる。その後塾講師や教材筆耕などを経験し、再び化粧品会社で勤務。
トータル28年の化粧品処方開発の経験を活かし、現在は美容Webライターとして活動中。化粧品開発だけでなく塾講師、子育て、人生の経験を活かし、読者の美と健康に役立つ情報をわかりやすく提供します。
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