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私って更年期?閉経の症状や更年期とうまく付き合うポイントを解説

私って更年期?閉経の症状や更年期とうまく付き合うポイントを解説

最近生理不順で、「もしかすると更年期で閉経したのかもしれない」と不安になる方もいるのではないでしょうか。
本記事では、更年期や閉経の症状だけではなく、つらい更年期と上手に付き合うポイントも解説します。
更年期で悩んでいる方、これから更年期になるかもしれないと不安を抱えている方はぜひ参考にしてください。

40歳くらいから閉経前の不調サイン

更年期の最もわかりやすい体調の変化は閉経です。
年齢と共に卵巣機能が低下し、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少し排卵が止まります。
また、40歳くらいから卵巣機能が徐々に低下していくため生理不順になることが増えます。

閉経とは

閉経とは、月経が完全に止まる状態になることで、女性が生殖能力を失う自然な生理現象です。
卵巣の機能が衰え、卵巣が女性ホルモンのエストロゲンを分泌できなくなります。
その結果、卵胞が減少し排卵が停止するため、月経が不規則になり最終的に完全に止まってしまうのです。
閉経に伴いホルモンバランスが崩れ、身体や心理面でさまざまな変化が生じます。具体的にはホットフラッシュ、不眠、骨密度の低下、心血管疾患のリスクの増加などが起こります。
閉経は一般的に自然な過程であり、それを経て女性は更年期を迎えるのです。
医学的には、1年以上月経がない場合を閉経といいます。
まれに閉経年齢ではないような年齢で卵巣機能が正常ではなくなり、無月経となる症例があるので、不安がある場合は医師に相談すると良いでしょう。

閉経の前兆は?

卵巣の機能は急に停止するのではなく徐々に低下していくため、閉経の1~2年ほど前から月経にさまざまな変化が現れます。
その変化は人によって異なりますが、おおよそ次のような前兆がみられます。

● 周期が短くなる
● 周期がばらばらになる

そしてそののちに

● 1回の量が極端に少なくなる
● 50日周期や2~3か月に一度ぐらいになる
● 月経が完全に来なくなる

なかには、全く前兆がなく振り返ってみれば1年間月経が来ていなかったという場合もありますので、1年経ってからしか判断できません。
また、月経が不順で更年期だからといっても排卵していないわけではなく、妊娠する可能性はあるため、避妊に関しても注意を払いましょう。

閉経するのは何歳くらい?

日本人の閉経の平均年齢はおよそ51歳~52歳です。
しかし、閉経時期は個人差が大きく、40代前半で閉経を迎える方もいれば50代後半まで月経がある方もいます。
自分がいつ閉経するのか気になる方も多いのではないでしょうか。
上述した通り、閉経は月経が来なくなって1年経ってからようやく判断できるため、前もって閉経時期を知ることはできません。
しかし、日頃から月経の様子に気を付けて変化に敏感になっておくことで、閉経が近いことを察知できる可能性があります。
閉経に対して心構えができているだけでも、精神的影響の大きい更年期を少しでも快適に迎えるための余裕ができるでしょう。

閉経が早い人の特徴

閉経年齢には個人差がありますが、早く閉経を迎える方にはどのような特徴があるのでしょうか。
これの主な特徴は「喫煙習慣がある」ことと「不妊体質」であることです。
タバコのニコチンは卵巣の機能を損ない、女性ホルモンの減少を促進するといわれています。
また、子宮内膜症に関係する不妊を経験している方も比較的閉経が早いです。
閉経時期には遺伝的要素も関係しており、母や姉などの親族の閉経年齢が早い場合は、本人も早く閉経する傾向にあるといわれています。
極端な早期閉経にはさまざまな病気の発症リスクが高まる可能性があるために、治療を必要とすることがあります。
平均よりあまりにも閉経が早い場合は、医師の診断を受けましょう。

更年期になると現れる症状

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更年期になると女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少することにより、閉経以外にも体にさまざまな変化が出てきます。
症状については個人差があり、まったく変化を感じない方もいれば、日常生活に支障が生じるほど重い方もいます。

ひたすら暑く感じる

更年期の症状として挙げられるのは、とにかく暑くなり、ほてったりのぼせたりする「ホットフラッシュ」とよばれるものです。
次のような症状がみられます。

● 体が熱くなる
● 汗が止まらない
● 顔が紅潮する
● 動悸がする

これらの症状は、女性ホルモンのエストロゲンが減少し自律神経が乱れ、血管の拡張や収縮を制御できなくなるためにおこります。
このような症状が現れたときは、涼しい場所でリラックスして落ち着きましょう。 首筋などを冷やすのもおすすめです。

精神的に不安定

エストロゲンの減少による自律神経の乱れに、家庭環境や仕事面でのストレスが重なって、精神的に不安定になることもあります。
次のような症状がみられます。

● イライラする
● 突然の焦燥感
● 不安感や孤独感
● 憂鬱で気力がなくなる

精神症状に対してのおすすめの対処法を紹介します。

● ウォーキング、ヨガなどの有酸素運動
● アロマセラピーで心のリラクゼーション
● 太陽の光を浴びる
● ストレスにより消費されるビタミンCの摂取

これらを無理のない範囲で取り入れて、新しい趣味を持ったり仲間と楽しめる環境に触れたりするようにしましょう。

身体的不調

更年期になるとさまざまな身体的不調がみられます。

● 手指の痛み・変形・しびれ
● 肩・腰・背中の痛み
● 吐き気・胃腸の不調
● 異常なのどの渇き
● 頭痛・めまい

更年期に入ると、女性の手指が徐々に変形し、曲がってしまうことがあります。
これは第一関節が曲がったり痛くなったりする「ヘバーデン結節」や、第二関節の場合では「ブシャール結節」と呼ばれるものです。
この症状になった場合は、手指を安静にし、テーピングなどで一時的に対処しましょう。
症状が酷くなってしまった場合、日常生活に支障をきたしてしまうため、早めに医師に相談することをおすすめします。

太りやすくなってしまう

更年期になってから太りやすくなってしまい、若いときと同じことをしても太ってしまう、何をしても痩せないという方もいるのではないでしょうか。
これはエストロゲンの分泌が減少することがまず一因です。
エストロゲンは脂質代謝を調節する働きをもっており、減少することで、血液中の悪玉コレステロールが増加しやすくなり太りやすい体質になります。
さらに、加齢により筋肉量が落ち基礎代謝が低くなり、その結果脂肪がつきやすくなってしまうのです。
コレステロールを下げる薬もありますが、できるなら薬に頼らず健康でいたいものです。
特に更年期近くになれば、体調に合わせて適度な運動を取り入れ、食事も見直しましょう。

更年期とうまく付き合うポイント

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これまで述べてきたように、更年期にはさまざまな症状があります。
更年期の症状を少しでも軽減するための、自分でケアできるポイントを紹介します。

月経の変調を見落とさない

いつかは訪れる閉経に向けて、月経の変調には敏感になっておきましょう。
本来、若い方であっても女性であれば月経に関しては、出血パターンや周期を管理しておくことで、月経不順が分かりやすくなります。
また、病院に診察に行った際にも正確な情報を医師に伝えられるでしょう。
特に40代になり、月経に変化が出てきた際は忘れずに記録しましょう。
閉経に関してだけではなく、そのほかの病気の早期発見につながるかもしれません。
しかし、月経の変調に神経質になることは避けましょう。
更年期と上手く付き合うためには、まず更年期を前向きにとらえる必要があります。
「前回いつ月経が来たのかわからない」と余計な気を使わなくて済むようにメモしておく程度で良いでしょう。

美と健康を意識する

更年期になっても女性であることに変わりはないので、いつまでも美と健康を意識して前向きに毎日を過ごしましょう。
ホルモンバランスの崩れによって、体にはさまざまな変調が現れるので、髪の毛が薄くなったり、肌が荒れたりすることもあるでしょう。
この場合は栄養を補うためのビタミン剤やサプリメントを摂取するのがおすすめです。
症状によっては閉経後のホルモンバランスが落ち着く頃に改善されることもあるので、心配はいりません。
健康面では、バランスの取れた食事を適量摂ることはもちろん、無理のない範囲で定期的に運動することを心がけましょう。

感情の起伏への対処を考えよう

更年期特有の感情の起伏は本人にしかわからないため、その対処を考えることは、更年期と上手く付き合うための大切なポイントになります。
感情の起伏が激しくなり、コントロールできずイライラしたり落ち込んだりすることもあるでしょう。
こういった場合は、まず、家族や身近な方に「自分は更年期症状がでている」ということを隠さず話して、理解してもらうようにしましょう。
身近な方が知ってくれていることで、1つでもプレッシャーが取れて安心感につながるでしょう。
もちろん自分自身でも感情が安定するように努力する必要があります。
適度な運動、快眠、バランスのとれた食事、外の世界との触れ合いなど自分に合った対処法を見つけましょう。

我慢せず医師に相談

これまで更年期のさまざまな症状における対処法を紹介してきました。
しかし、症状がひどくて何をしても我慢できない場合は、無理せずに医師に相談しましょう。
更年期の症状は主に以下の因子が絡み合って発症します。

● 精神的因子
● 肉体的因子
● 社会的因子

医師はまず精神的因子から検討することが多いでしょう。
それでも改善しない場合は、次のような薬物療法を取り入れます。

漢方
症状に合わせてさまざまな生薬を組み合わせた漢方を処方します。

● 多彩な症状:「婦人科三大処方」当帰芍薬散・加味逍遥散・桂枝茯苓丸
● イライラ、ホットフラッシュ:加味逍遙散
● 不安感、動悸、不眠:柴胡加竜骨牡蛎湯
● 体力低下、冷え症:当帰芍薬散

漢方薬で精神面と肉体面からの改善を目指します。

抗うつ剤や鎮静剤
感情の起伏が激しく、イライラ、気分や意欲の低下がひどい、不眠など症状が重い場合には、抗うつ剤や催眠鎮静薬などの向精神薬も用いられます。
最近の抗うつ剤は、ホットフラッシュなどの血管の拡張と収縮に関係する症状にも効果があるだけでなく、副作用が少ないとされています。
ひとりで我慢せずに医学の進歩を取り入れて、症状を解消していきましょう。

ホルモン治療
更年期症状の原因とされているホルモンを補う治療法です。
更年期の症状は女性ホルモンのエストロゲンが減少することで発症します。
ホルモン治療はそのエストロゲンを少量ずつ注入することで、症状を改善させる治療法です。
この治療に用いるホルモン剤には飲み薬だけでなく、貼り薬、塗り薬などさまざまなタイプがあります。
また、投与方法やサイクルも多種あるので医師と相談して、自分に合った方法で投与してもらいましょう。

まとめ

女性の身体にとって、閉経をはじめとした更年期は大きな変調をもたらします。
精神的にもつらい症状が出ることがあるため、どう対処して良いか悩んでしまうこともあるでしょう。
症状がひどいときは無理をせず医師に相談することが重要です。

監修者

X田薬品工業様 監修者 菊谷潤子①.png (561 KB)
監修者プロフィール 菊谷 潤子 大阪市立大学(現:大阪公立大学)を卒業後、化粧品メーカーで処方開発に携わる。その後塾講師や教材筆耕などを経験し、再び化粧品会社で勤務。
トータル28年の化粧品処方開発の経験を活かし、現在は美容Webライターとして活動中。化粧品開発だけでなく塾講師、子育て、人生の経験を活かし、読者の美と健康に役立つ情報をわかりやすく提供します。
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