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産後〜授乳期とカルシウム〜

産後〜授乳期とカルシウム〜

妊娠中は、妊娠を維持するために多くのホルモンが出ていますが、出産を機に一気ホにルモンバランスが崩れやすくなります。

その結果、イライラ、肌荒れ、体調不良など様々な症状が引き起こされることもあります。
これらは、母乳育児とともに徐々に時間をかけ解消されてきますが、産後の食事や睡眠、生活環境によっても大きく左右されます。


◎授乳とカルシウム

妊娠期には胎盤を通して赤ちゃんに必要な酸素や栄養素を送っていましたが、出産を終えると今度は母乳やミルクを通してカルシウムはもちろん、必要な栄養素を届けなければなりません。

実は、お腹の中にいる胎児よりも、生まれた後の乳児の方が骨の石灰化などに伴い多くのカルシウムを必要としています。
また、出産後に授乳をすることにより、お母さんは月経が起こりにくい状態になっています。

これに伴い、骨にカルシウムを蓄える働きをするエストロゲンの分泌量が低下するため、骨の代謝は活発になり骨が溶けてカルシウムを母乳に送ります。

これに加え、産後のお母さんの食事からのカルシウムが不足すると、さらにこの骨からのカルシウム溶出が増えるため、産後の授乳に伴う一時的な骨粗鬆症(授乳が終わり月経が再開すると、エストロゲンの量が増えるとともに骨量も増える)のリスクも上がります。

こういった意味でも、本当にカルシウムを必要とするのは妊娠中よりも、授乳をしている時期といえます。
そして、この時期は赤ちゃんのお世話に忙しく、睡眠不足なども重なり、お母さんの食事はいい加減なものになりがちです。

授乳期はお母さん自身の栄養状態が、赤ちゃんにもお母さん自身にも普段より大きく影響してくるため、この時期の体調を含めた食事管理は特に大切なものになってきます。


◎産後のホルモンの変化

女性ホルモンの一種である「エストロゲン」は、産後や授乳中に大きく減少します。
エストロゲンは、骨にカルシウムを蓄える働きもあるため、その分泌量が減ると骨密度減少のリスクが増えます。

エストロゲンの不足を補う場合、通常は私たちの腸内細菌が大豆イソフラボンから「エクオール」という物質を作り出し、エストロゲンの代わりの機能を果たします。

このため、産後はとくにカルシウムに加えて大豆製品も積極的に摂取する必要があります。

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*エクオールを作り出せる菌を十分に持っている人は日本人の約半数ほどで、この菌を持っていない人はエクオールを補給できるサプリメントを活用してみるのも良いと思います。
(エクオールを作り出す菌の保有数の検査キッドも市販されています。)


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