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思春期(第二次性徴(成長)期)とカルシウム②

思春期(第二次性徴(成長)期)とカルシウム②

前回は、心身の成長が目覚ましいこの時期におけるカルシウムの重要性、必要量、食品に含まれるカルシウム量、その吸収率の違いなどをご紹介しました。
今回はそのカルシウムが、体内で吸収される際に欠かせない栄養素や、吸収率を上げる栄養素、反対にカルシウムの吸収を阻害する栄養素についてご紹介します。


<カルシウムの吸収に必要な栄養素、吸収率を高める栄養素>

・ビタミンD

ビタミンDは肝臓と腎臓で活性化し、カルシウムの吸収を高め骨や歯を丈夫にします。
食品中では植物性食品(しいたけなどのキノコ類)に含まれるビタミンD2と、動物性食品(煮干し、シラス干し、イワシ、鮭 など)に含まれるビタミンD3があるほか、日光を浴びることで私たちの皮膚上でも生成されます。

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・リジン

リジンは必須アミノ酸の一つで、体の組織の成長や修復に関わっており、抗体やホルモン、酵素を作る働きを持っています。
また、腸管でのカルシウムの吸収も高めてくれます。
牛乳・乳製品・大豆・卵黄・シラス干し・マグロなどに多く含まれています。

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<カルシウムの吸収を阻害する栄養素>

・リン

ミネラルの一つでもあるリンは、骨や歯の原料でもありカルシウム同様生命維持に必要な栄養素です。
しかし、このリンを摂り過ぎるとカルシウムを溶かし出すパラソルモン(副甲状腺ホルモン)が上昇し、カルシウムの排泄が促されます。
インスタント食品やスナック菓子、加工食品に含まれる食品添加物にはリン酸塩という形で、このリンが多く含まれているため注意が必要です。

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◎運動とカルシウムの関係


この時期、学校生活において本格的にクラブ活動を始める人も多いのではないでしょうか。
運動すると、その刺激を受け骨はカルシウムの沈着を促進し、丈夫なものへとさらに成長しようとします。
また、運動する上でのカルシウムの大きな働きは筋肉を動かすことです。
細胞内に存在するCa2+ (カルシウムイオン)の濃度の変化によって、筋肉は弛緩と収縮を繰り返し体を動かしているため、運動中には十分なカルシウムが必要となってきます。
しかし、運動をすることでかく汗と一緒にカルシウムは体外へと排出されてしまいます。
カルシウム量が不足すると体内のミネラルバランスが崩れ、足のつりや痙攣ひいては大きな怪我にも繋がりかねないので注意が必要です。
運動量が多くなる思春期では特に、普段から十分な量のカルシウムを摂取し、健全な骨量の増加と活発な運動に備えておく必要があります。

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