じょうぶな骨を育てる情報サイト カルシウム相談室

骨強度を上げるカルシウムと栄養素

骨強度を上げるカルシウムと栄養素

成人の体内には約1kgのカルシウムが存在し、その約99%が骨や歯の構成成分として存在しています。

カルシウムが骨を作る上で重要な栄養素であることはよく知られていますが、カルシウムさえ十分に摂っておけば生涯、骨折や骨粗鬆症の心配などはいらないのでしょうか。

今回は、強い骨を作り上げる上でカルシウムの働きを助ける栄養素や、カルシウムと共に強い骨を作り上げる栄養素について詳しく紹介していきたいと思います。


◎強い骨とは?

強い骨とはどういったものを表すのでしょうか。
多くの方は、骨密度や骨量が高いことが骨の強さだと思われているかもしれません。

しかし、骨の強度は骨密度だけでなく、その骨の質(=骨質)によっても左右されます。
そもそも、骨はカルシウムだけでできているのではなく、骨の約20%(軟骨の50%)はコラーゲンが占めています。
骨を鉄筋コンクリートに例えると、カルシウムはコンクリートに当たり、コラーゲンが鉄筋のような役割をしています。(コラーゲンというタンパク質が束になり(コラーゲン線維)、鉄筋部分の役割をしています。)

そのため、コンクリートに当たるカルシウム(骨密度)が十分であったとしても、中の鉄筋であるコラーゲン(骨質)が少なく劣化した状態では強い骨にはなりません。

つまり、骨の強度は「骨密度」+「骨質」の2つの要因によって決まってくるのです。


◎骨密度と栄養素

骨強度の1つの因子である「骨密度」は主にカルシウムの量によって左右されますが、ここでもカルシウムだけの摂取では骨密度を上げるには不十分です。

カルシウムは体内で吸収されにくい栄養素であるためその吸収を促進させるビタミンDや、吸収したカルシウムを骨に沈着させ骨の形成を促すビタミンKの存在も非常に重要になってきます。

カルシウム……乳製品、小魚、大豆製品、海藻 など
ビタミンD……キノコ類、煮干し、シラス干し、イワシ、鮭 など
ビタミンK……納豆、海藻、春菊、ほうれん草 など


◎骨質と栄養素

骨の柱ともなる「骨質」は、骨中のコラーゲンの量や状態によって左右されます。
このコラーゲンの状態を保つためには、材料となる栄養素をしっかりと入れなければなりません。コラーゲンの生合成に必要な栄養素には、以下のようなものがあります。

アミノ酸(タンパク質)……肉、魚、大豆製品、卵 など
……レバー、赤身肉、赤身魚、貝類、小松菜 など
ビタミンC……野菜、果物 など


◎年齢に応じた強い骨へのアプローチ

上記のように骨の強さは、「骨密度」だけでなく「骨質」も重要になってきますが、これらの重要性は年齢によっても変化してきます。

特に、身体が成長過程にある若い時期には骨密度は増えていくため、カルシウムの十分な摂取が非常に重要になってきます。

また、コラーゲンの量がピークを迎える25~30歳以降では、骨質となるコラーゲンを維持していくためのアミノ酸や鉄、ビタミンCの摂取が骨強度を上げるために重要になってきます。

そして、高齢期では骨量の減少を緩やかにし、骨質の劣化を防ぐためにその両方が重要となってくるように、年齢に応じて強い骨へのアプローチ方法も変化していきます。



この記事の関連レシピはこちら

コラムのトップに戻る

トップへ戻る ▲