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たった1%の機能カルシウム

たった1%の機能カルシウム

カルシウムは、人の体内で最も多いミネラルであり、大人では体重の1.5~2%を占めると言われています。

体内にあるカルシウムのうち99%は、骨や歯などの硬い組織に「貯蔵カルシウム」として存在しています。
残りの1%が、血液や筋肉、神経の中に「機能カルシウム」として存在しています。

ここまで聞くと、骨や歯以外のカルシウムはたった1%であり、それほど重要ではないだろうと、思うかもしれません。

しかし、このたった1%のカルシウムが私たちの心臓を動かし、心を安定させ、体内の細胞の機能を正常に保っているのです。
すなわち、この1%のカルシウムがなければ私たちは生きていけないのです。

そこで今回は、このわずか1%の機能カルシウムの働きや重要性についてご紹介します。



◎機能カルシウムの重要性

機能カルシウムは、細胞の分裂分化、筋肉収縮(心筋の収縮)、神経興奮の抑制、酵素の働き促進、血液凝固作用などに関与し、全身で必要とされているため、血液に乗って体中を巡っています。

そのため、血液中のカルシウム濃度はほぼ一定に保たれています。
血液中の機能カルシウムが不足すると、私たちの体は骨から「貯蔵カルシウム」を溶け出させ、「機能カルシウム」へと変換されるようになっているのです。

ここまでして、私たちの体はわずか1%の機能カルシウムを守っているのです。



◎機能カルシウムの働き

カルシウムは、骨や歯を形成する以外にも以下の様々な重要な働きをします。

・筋肉や毛細血管の収縮・弛緩
  不足すると……筋肉のつりや不整脈、高血圧、心筋梗塞などを起こしやすい。

・神経伝達物質やホルモンなどの分泌の合図となる
  不足すると……不眠、うつ、怒りっぽい、焦燥感などの神経症状のリスクとなる。

・アレルギー抑制作用
  不足すると……かゆみ、鼻水などのアレルギー症状を起こしやすい。

・血液凝固作用

・脳や神経を安定させ、興奮や緊張を緩和する など



◎カルシウムは食物からの摂取を!

私たちの体には、血液中のカルシウム濃度を常に一定に保つシステムがあります。

しかし、血液中のカルシウム濃度が下がり、それを補うため骨から急に多くのカルシウムが溶出して血液中に入った場合、血管や脳などの軟部組織にカルシウムが増加し沈着して動脈硬化や、高血圧、糖尿病、アルツハイマーなどの疾病が生じることもあります。

そのため、カルシウムは食物から不足しないように経口摂取することが重要なのです。



◎日常生活でカルシウム濃度を不足させないために

・ストレス
カルシウム(とマグネシウム)はストレスがかかると、体外に排泄されやすくなります。
そのため、ストレス管理や対応はもちろんのこと、ストレスが多い環境にある人は意識してカルシウム(とマグネシウム)を摂りましょう。

・塩分を控える
塩分(ナトリウム)を摂ると、ナトリウムと一緒にカルシウムも尿中へ排泄されます。
そのため、塩分の過剰摂取はカルシウム不足にも繋がってきます。

・ビタミンDの摂取
食べた食材に含まれるカルシウムは、腸管から吸収され体内に入ります。ビタミンDはその腸管からのカルシウム吸収を促す働きがあります。
そのため、ビタミンDを多く含む食材(きくらげ・しいたけ・鮭・うなぎ など)の摂取や、日光浴により(1日10~15分、日光に当たることで皮下でビタミンDは合成される)ビタミンDを増やすことも重要です。



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