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骨とカルシウムの関係

私たちは食物からカルシウムを摂取し、そのカルシウムは小腸でビタミンDなどの働きにより吸収され、血液中に入り、骨に運ばれ骨が作られます。その一方で、骨はしなやかさを保つために、常に少しずつ古くなった骨の成分を破壊し、新しいものへと作りかえる新陳代謝を行っています。

この骨の形成と破壊のバランスは通常、平衡状態(釣り合った状態)を保っていますが、様々な要因によって左右されます。例えば、体内には骨の他にも細胞や血液中にカルシウムが存在し、私たちの体は生きるためにこのカルシウム濃度を一定に保っています。しかし、摂取するカルシウムが不足してくると、この血中カルシウムが減り、不足分を骨のカルシウムで補おうとして、骨の破壊が進みます。

このように、骨量の減少は骨の形成と破壊のバランスが崩れて引き起こされます。

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この吸収と形成が繰り返されることで、1年間に20~30%の骨が新しく作り変えられています。壊されても、また新しく作り変えられているにも関わらず、なぜ骨量は減少するのでしょうか?一般的な骨量変化の流れとして、骨は成長期に活発に作られ、20歳代で骨量のピークを迎え、40歳代までは一定を保ち、その後加齢と共に骨量は減少していくことがあげられます。しかし、その他にも骨量が減少するリスクには様々なものがあります。

加齢

男女を問わず、骨量の変化の原因の一つとなってくるのが加齢です。加齢とともに、体内のホルモンバランスが変化し、骨に関しても骨の形成を進める「カルシトニン」というホルモンの分泌量が減り、骨が破壊される骨吸収が進みます。また、高齢者においてはカルシウムの摂取が不足傾向にある方も多いため、さらに骨量が減少し、骨粗鬆症や骨折が起こりやすくなります。

エストロゲン(女性ホルモン)

エストロゲンには、新しい骨が作られる「骨形成」を進め、反対に古くなった骨を破壊する「骨吸収」を抑える働きがあります。しかし、女性では閉経前後からこのエストロゲンの分泌量が激減するのに伴い骨量が減少していきます。そのため、女性は男性よりも骨粗鬆症になる危険性が高く、若い時期からカルシウムの摂取、運動などを意識的に行う必要があります。また、大豆製品に含まれるイソフラボンは、このエストロゲンと似た働きをするため(働きはエストロゲンの1/1000〜1/10000と緩やかではあるが)、破骨細胞による骨からのカルシウム溶出を抑え骨粗鬆症予防に効果があるとされています。

リン・食塩の過剰摂取

リンは主に、私たちの体でカルシウムと結合して骨や歯を形成している栄養素ですが、体内でリンが過剰になるとカルシウムの吸収が妨げられます。また、リンは幅広い食品に含まれているため不足することはほとんどなく、逆に加工食品(スナック菓子、インスタント食品、冷凍食品 など)によく含まれているため加工食品を多く食べる現代人ほど取り過ぎる傾向にあるので注意が必要です。

カルシウムは汗や尿の中にも含まれており、これらによって体外に排泄されているのですが、食塩をとり過ぎるとカルシウムの尿への排泄が増加し、体内のカルシウム不足に繋がることもあります。

また、海外と比べて塩分摂取量が日本人は多いため、特に十分なカルシウムの摂取が推奨されます。

食事からのカルシウム摂取量はどの年代も足りていない状態なので、不足分を補うために吸収の良いカルシウム剤を食生活に加えることも有用です。

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